それは自己肯定感では無いかもしれません!

都ライフ

『自己肯定感』が独り歩きするほど認知されてきているように感じます。
カウンセラーとしては、説明する必要が無いくらい認知されてきているのを実感しております。

ただ、自己肯定感を『自分を肯定する考え方』と考えている人もいるようで、
それは悪くなると『空元気』にしかならないことも多くあります。

「ポジティブに捉えよう」
「良いところ、できてるところに目を向けよう」
「足りているところを意識しよう」

などなど、考え方、捉え方を意識することで自己肯定しようとする人もいます。

間違いとは言いませんが、本当にそれができている人はどのくらいいるのでしょうか?

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間違った自己肯定感とは?

例えば、
・長時間労働で安月給のブラック企業で働いている
・オフラインで心休まる友達が欲しいと思っているのに、なかなかそういう友達と出会うことができない。しかし、オンラインでの友達はたくさんいる
・豪華ではないが、ご飯は食べることができている
・狭くて不便だが、住む家はある

という生活の人が、前述の自分を肯定する考え方をすると
・仕事があることは恵まれていることだ
・オンラインでは友達がいる
・生きていくのに困らない食事はできている
・雨風をしのぐ家はある
と肯定して生活することになります。
はたして、これで自己肯定感があると本当に言えるのでしょうか?

自己肯定感とは『感覚』のことであり、無理に考え方や捉え方を変えたところで、それを実感することができなければ空元気でしかありません。

自己肯定感は自分の存在に幸福を実感できたときに育まれるものです。

自己肯定感を持つためには

私の考え方では、自己肯定感はスキル・能力では無いので、「高める」という言い方はあまりしっくりきません。
自己肯定感は「育てる」「養う」という意識の方がしっくりきます。

自己肯定感を間違って育てようとした例

例えば、あるクライエントAさんですが、「学力が高い方が良い」と考え、一生懸命勉強していました。
Aさんは勉強が好きではなく、良い成績を取れても達成感よりも「ホッとする」という安心感の方が得られるような人でした。
逆に成績が悪いと大きな自己嫌悪とその後の不安に苦しんでいました。

当然、成績が悪いと自己肯定感は失われていきますが、
成績が上がることで自己肯定感が養われているかというと
「次は成績が下がるかもしれない」
という不安を感じており、自己肯定感があるようには思えない状態でした。

何が間違っていたのか

間違っていたのは『価値観』でした。
Aさんの価値観が「良い成績であることは、自分にとって幸福である」というものであれば良かったのですが、
良い成績を取っても満たされるどころか、不安を感じてしまっていたのです。

価値観が異なるので、「学力が高い方が良い」という考え自体がAさんには合っていなかったのです。
この価値観は心理学用語でビリーフ(信念、固定観念)と言われるものですが、これはそれまでの成育環境によって身に付けてしまうことがほとんどです。

自分の考える結果が得られても充実感が実感できない場合は、自分自身のビリーフではなく、
周囲から植え付けられたビリーフである可能性があります。

自分に合わないビリーフの元の行動を続けていても、自己肯定感はなかなか養われていけません。
まじめな人が心理的に病んでしまうのは、自分に合わないビリーフであり、周囲の人のビリーフの元の行動に偏っている可能性があります。

正しい自己肯定感の養い方とは

自分のビリーフをしっかりと認識し、それに沿った行動と結果を得ることで自己肯定感を養っていくことができます。
カウンセリングとは、この自分のビリーフを認識するためにとても効果的な対話になります。

「周りに流されやすいんです」
「自分の意見がわからないんです」
「一生懸命やっているのに満たされないんです」

そんな方は是非カウンセリングを受けてみてください。
これは知人友人ではその方々の主観によるアドバイスが多い可能性があるので、プロのカウンセラーにかかることをお勧めします。

自己肯定感を養う正しい方法

まずは自分のビリーフを認識してください。
次にそのビリーフに沿った行動をしていくのです。
ただし、いくつか注意点があります。

先ほどのAさんの場合でいうと、
最初に考えたのは「学力が高い方が良い」という価値観が自分に合わない価値観である可能性です。
これを確認するために、敢えて「自分のできる範囲での無理の無い勉強量」を続けてみました。
日々のツラさや、試験に対するストレスはかなり減りましたが、「本当にこれで良いのか?」という不安がずっと残っていました。
カウンセリングの中でも何度も「やっぱり勉強しないといけない気がします」という言葉も出てきていました。

このように、自分に合わない価値観の行動を止めるだけでは、自己肯定感は養われないことも少なくありません。

間違った自己肯定感の認識でいくと
「勉強も少しはやっているから良しとしよう」
「試験の結果は良くは無いけど、悪くもないから大丈夫だろう」
と考えることになります。
でも、これだけでは自己肯定を実感することは難しいという人もいます。

合わないビリーフに沿った行動を止めるのではなく、
自分のビリーフに沿った行動を行い、結果を実感することが重要です。

自分の価値観がわかると人生が変わる

自分の価値観、ビリーフに沿った行動が業務である職場を見つけると、
それは天職になり、働くこと自体が充実感を得られることになり、日々自己肯定感を養っていくことができます。
活き活きと仕事ができてる人は、そういう人なのかもしれません。

学生という身分を卒業したほとんどの人が仕事をすることになると思います。
その後の人生のほとんどの時間を仕事に費やすことになるとしたら、
その時間が自分にとって満たされる時間である方が、QOLも上がることになるでしょう。

是非、じっくりと時間をかけて自分のビリーフを考えてみてください。

ビリーフは変わっていくこともあります。
定期的にビリーフを見つめ直すことで、少しずつずれていっても修正できますし、
より良い行動を見つけることができるようになります。

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