周りの言葉に振り回されない思考法

都ライフ

SNSなどを含め、多くの人が他者とのコミュニケーションでやり難さや、なんとなくの違和感、不快感を感じることが多いと思います。

特に、極端な押し付けや、批判合戦などは、やはり読んでいて良い気分にはなりません。
読まなければ良いだけなのですが、なかなか難しい人も多いと思います。

そんなときは、思考のトレーニングとして活用するのも一つの手です。
他者の「強い言葉」や「強いメッセージ」を受け流すしたたかさを身に付けるには、自分で考えることがとても重要です。

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◆周りの言葉に惑わされないための「自分で考える」とはどういうことか?

SNSなどを見ているとよく「思考停止は良くない」というような意見を目にします。

おそらくこの言葉の意味するところは

「私と同じ意見について考察することなく否定する、あるいは同意しないことは許せない」

という意味が近いように見えます。

個人の意見を否定したり、尊重しなかったりするような態度はあまり本人のためにもならないし、周囲にも良い影響は無いかと思います。

事実に基づく意見は必ずしも真実とは限らない。

しかし、こういう言葉に悩まされたり、傷ついたり、憤りを感じたりしてしまう人もいます。

このように、自分に対して負の感情を感じてしまわないようにするための思考力を身に付けることで、これらのメッセージを受け流せるようになります。

自分の意見を持ち、自分の根拠を持ち、自分の実際の体験があると、周りの言葉に対して思考することができ、
自分が受け入れられないものであれば、受け流すことができるようになります。

つまり、「自分の基準で判断する」ということが、自分で考えるということでもあります。

◆他人の言葉はその人にとっての事実であるが、自分にとっての真実とは限らない

世界中でいろんな実験が行われています。

例えば心理学の世界でも有名な『マシュマロテスト』。

スタンフォード大学の心理学者、ウォルター・ミシェルさんが行った実験で、

・4歳の子たちに
・気を散らすようなものが無い部屋で
・目の前にマシュマロをひとつ置いた皿をおいておき
・「15分食べるのを我慢できたら、もうひとつマシュマロをあげるよ」と伝えて
・ひとりにする
という条件で、

マシュマロを食べなかった → 我慢する力がある
マシュマロを食べた → 我慢する力がない

という判定をするという内容。

さらにその十数年後
マシュマロを食べた子どもとマシュマロを食べなかった子どもでは能力の差が大きく、
マシュマロを食べなかった子どもの方が能力(の評価)が高くなった。

という結果になった実験です。

実験内容、結果を見たときに、おそらくほとんどの人が「確かにそうだ!よし、我慢する力を育てるのが大事なんだな。4歳の我が子よマシュマロを食べずに我慢するんだぞ!」という納得はしたと思います。

ところが、最近は「どうもマシュマロテストには実験の欠陥があったらしい」という説が出てきていると、一部で話題になっています。

ここで気にしたいのは、
マシュマロを食べなかった → 我慢する力がある
は真実なのか?
我慢する力がある → 能力が高くなる
は真実なのか?
そして、マシュマロを食べなかった → 能力が高くなる
は真実と言えるのか。(論理的には成り立っています)
ということです。

こういうところに疑問を持たずに、
「マシュマロを食べなかった子は能力が高くなる」
を信じ込むことが思考停止の状態だと思います。

このマシュマロテストにおいては、感覚的に納得できるものなので、思考停止して真実として受け入れやすいものでもあると思います。
もしくは『スタンフォード大の心理学者の実験』だから真実に違いないと受け入れやすいものでもあるかもしれません。

◆事実だけれど、真実ではない具体例

例えば、

「日本で癌で死亡した人の9割以上が主食が米だった」
という事実があったとして、
「米を主食としていたら、癌で死んでしまう」と思う人はほとんどいないと思います。

なぜなら、因果関係が想像できず、受け入れにくいからです。

世の中の『詐欺師』と思われる人たちは、因果関係を納得させることがとても上手です。

そういう詐欺に引っかからず、あらゆるSNSのメッセージに惑わされないためにも、思考停止になってしまうことは避けていきたいです。

では、どのように対応していくのか?

世の中のほとんどの人が専門家ではなく、専門的な知識はほとんどありません。
なので、因果関係を自力で証明していくことはとても難しいです。

◆専門家ではなくても、真実を見抜く思考法は高校で習う!

そんなときに考えてみてもらいたいことは、逆、裏、対偶説を考えることです。

命題:マシュマロを食べなかった子は → 能力が高くなる

逆:能力が高い子は → マシュマロを食べなかった

裏:マシュマロを食べた子は → 能力が低くなった

対偶:能力が低い子は → マシュマロを食べた

<補足>
マシュマロを食べなかった子 → 4歳のときに我慢ができていた子のこと
マシュマロを食べた子 → 4歳のときに我慢ができなかった子のこと

そして、これを極論にするとよりわかりやすいです。

逆:能力が高い子はみんな → マシュマロを食べなかった

裏:マシュマロを食べた子はみんな → 能力が低くなった

対偶:能力が低い子はみんな → マシュマロを食べていた

極論にしたとき、どれも成り立つと思えたら、それはあなたにとって真実と思っても良いことかもしれません。

極論を嫌う人がいますが、それも思考停止と同じかもしれません。(極論を嫌う人のほとんどは、極論で説明されると反論できなくなることが多いからだと思います。)
他の人みんなに当てはまっても、あなたには当てはまらないこともあるかもしれません。
人はそれぞれで個体差があります。

自分の感覚で受け入れられることを真実としていくことが一番生きやすいことだと思います。
自分は信じることができるけれど、他人には当てはまらないかもしれない。
そういった理解を深めている人ほど、他人の意見に感情を揺さぶられず、他人に意見を押し付けなくなります。

そして、自分の体験や経験が増えることで、真実だと思っていたことに疑問を持つことも出てくると思います。

よく聞く話ですが、「専門家ほど断定はしない」ということがあります。
それは世の中のほとんどの分野において、知れば知るほどわからないことが増えてくるからだと思います。

あなたはあなた自身の一番の専門家です。
親や周りの人があなた以上にあなたのことを知ることはとても難しいと思います。
そんな人たちの言葉に惑わされず、自分が良いと感じる言葉について思考し、自分にとっての真実を増やしていくことが他人に惑わされない自分を育てていくためにとても有効な方法です。

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