『自分に向いている仕事』というもうひとつの考え方

社会・人間関係

『仕事』というと、みなさんどのようなイメージを持っているでしょうか?

「自己実現の行動」

「生きていくために必要なこと」

「社会貢献」

「誰もがやらなければならないこと」

「必ずしなければならない辛いこと」

いろんな思いを持ちながら、『仕事』と向き合うと思います。

カウンセリングの相談に来るクライエントの中で、

「仕事が楽しくて仕方がありません!」

と言う人は、いなかったように思えます。(「業務は好きだけど、会社の人間関係が・・・」と言う人はいます)

さて、そんな『仕事』ですが、『天職』という言葉があるように、
多くの人が自分に合った仕事に就きたいと願うと思います。

そして、

「自分に合う仕事がない」

「自分には取り柄がないんです・・・」

「自分は苦手なことしかありません」

など、ネガティブな思いをもちながら、有るか無いかもわからないような『仕事』を求めてしまいます。

今の職場がツライと感じてもなかなか転職しようとしない人も少なくありません。
そういう人は

「転職してもっと酷い環境になったらどうしよう」

と考えてしまい、簡単ではない『転職活動』をした上で、万が一にも状況が悪化したら、それこそ立ち直れないストレスを感じてしまうかもしれない、と感じてしまいます。

そうすると、環境を変えることを諦め、なんとかして今の状況を耐えることを選択してしまいます。

その先には、幸せは待っているのでしょうか・・・。

今回は、『自分に合う仕事』のもうひとつの捉え方、と言う観点でお話ししたいと思います。

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周囲の人間関係

周囲の人との関係性はとても大事です。
「自分と価値観が合わない人が多い環境」
「ストレスを抱えている人が多い環境」
はまずは避けた方が良いかもしれません。

自分と価値観が合わない人が多い環境

例えば、『時間は尊いもの』という価値観を持っている場合、
・時間を守らない人
・非効率(だと感じるよう)な作業を要求する人
・自分のやり方を認めてくれない人
が多くいる環境は、ストレスを抱えやすいと思われます。

こういう環境でも、
・自分で工夫することを求められることが苦手
・能動的に行動することが苦手
・計画的に、時間を細かく管理することが苦手
という人であれば、そんなに気にならないということもあります。

自分と価値観が合わない職場はストレスになりやすいです。
今の職場でストレスを感じている方は、その気になることを書き出し、それぞれがストレスになっているのかを考え、
それが自分のどういう価値観からくるストレスなのかを想像してみてください。

ストレスを抱えている人が多い環境

これに関しては、異論がある人はあまりいないと思いますが、どういうことかの解説もしておきます。

ストレスを抱えている人というのは、周囲への様々な悪影響を与えます。
・暴言、暴力
・暗い反応
・仕事の効率を下げる行為
・仕事のしわ寄せ
などなど、自身の足を引っ張る存在にもなります。

ある職場においては、休職者が増え、その仕事の負担が元気な人にかぶさってしまい、
元気な人ですらも心理的に不調をきたしてしまうこともありました。

もちろん、「その職場を見捨てて自分だけが転職して助かる」というお気持ちもわかります。
ただ、それによって自分の人生を悪い方向に変えてしまうのは、後々大きな後悔になります。

多くの人が人生で後悔することのひとつで、

「あんなに一生懸命働かなければよかった」

という後悔があります。
そうなってしまわないように、自分に本当に必要なものは何かを家族やカウンセラーにしっかりと相談してみてください。

自分に向いているストレス

仕事を考えるときに自分に向いている仕事かどうかの観点で
・得意なことか
・自分の能力が活かせるか
・自分の好きなことか

などを想像すると思います。
しかし、多くの人が感じているように仕事には辛かったり、きつかったりすることもあります。
そのツライ、きついの多くが『ストレス』の結果の感情です。

得意なストレス

人によって、ストレスの感じ方は異なります。
・決められた通りにすること
・臨機応変に対応すること
・人と接すること
・ものを作ること
・単純作業
・過去に経験のない新しいこと

などなど、様々な仕事があると思いますが、
上記の例は、人によってはストレスを感じる、感じないが異なってくると思います。

つまり、他の人はストレスに感じる作業でも、自分にとってはストレスを感じないということもあります。

カウンセリングをしていて、ある成年が言っていました。

「掃除って楽なんですよね~。床を磨いているだけでお金がもらえるんだ、思っちゃいます。」

これは、掃除が苦手な人にはストレスになる仕事かもしれません。

私はカウンセラーという仕事をしていますが、多くの人と話すことは全く苦になりません。
しかし、人によっては
「毎日いろんな人のネガティブな話を聴いてて、きつく無いんですか?」
と聞かれることもあります。

私にとってはこれらは得意なストレスだったりします。

このように、自分にとって得意なストレスは何か?を考え、
それが活かせる仕事を選ぶのも一つの考え方です。

このような、自分の得意なストレスの業務が主となる仕事が『適職』なのかもしれません。

苦手なストレス

こちらは想像しやすいと思います。
自分だけが苦手なストレスである仕事を当たり前にこなさなければならない職場は、
周りの人たちからも劣等感や疎外感を感じるばかりで、いずれメンタルに不調をきたしてしまいます。

子どもたちでいうと、
「勉強することがストレスであるのに、進学校に合格してしまった」
という高校生の苦痛はとても大きなものだと感じてしまいます。
努力した結果手に入れた高校進学であるがために、
そこを辞めるということは、それまでの自分のやってきたことを否定することにもなってしまうので、
そのような決断もすることが難しいです。
そして、決断ができない時間が長ければ長いほど、苦痛を感じ、自己肯定感を下げる期間が長くなってしまいます。

「できない自分の努力不足だ」

と考えるのは、私個人では悪いこととは思いませんが、
そう感じている人は是非カウンセラーに相談してみてください。
専門家であれば、得意なストレス、苦手なストレスの見分け方のヒントをくれるかもしれません。

仕事についての考え方でとても大事なこと

・仕事はきつくて当たり前
・嫌なことを我慢するのが仕事

このような固定観念は持たないということが大事です。

子どものころ勉強や学校を嫌々していた人。
親や先生に
「みんな嫌だけど、我慢してやるのが仕事だ」
と言われてきた人。

そういう人たちは、上記のような固定観念を持ってしまい、ツライ思いをしてしまう可能性もあるかと思います。

仕事は仕事と割り切って、得意なストレスの仕事をこなし、
プライベートな時間で、自分の充実した人生を送る、という考え方もあります。

ご自身の価値観と、人生をよく見つめてもらえたらと思います。

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