【第3回公認心理師試験】【事例】問76 児童養護施設での支援【過去問】

第3回公認心理師試験

【注意】下記は、私の受験時の考え方によるものであり、完全な解答ではないので、参考程度にしてもらえるとありがたいです。

解き方は、『知識(知ってるか知らないか)』『思考(基本的な考え方による判断)』『国語(文章からの判断)』の3種類で分けてみました。

問題

問76

5歳の男児A。Aは、実父からの身体的虐待が理由で、1か月前に児童養護施設に入所した。Aは、担当スタッフの勧めで同施設内に勤務する公認心理師Bの面談に訪れた。担当スタッフによると、Aは、入所時から衝動性・攻撃性ともに高かった。施設内では、コップの水を他児Cにかけたり、他児Dを椅子で殴ろうとしたりするなど、Aの暴力が問題となっていた。また寝つきが悪く、食欲にむらが見られた。Bとの面談でAは暴力の理由を「いつも僕が使っているコップをCが勝手に使ったから」「Dが僕の手首を急に掴んだから」と語った。また、「夜眠れない」と訴えた。

Bが初期に行う支援として、適切なものを2つ選べ。 

 ① 遊戯療法を速やかに導入し、Aに心的外傷体験への直面化を促す。
 ② 受容的態度でAの暴力を受け入れるよう、担当スタッフに助言する。
 ③ コップ等の食器は共用であるというルールを指導するよう、担当スタッフに助言する。
 ④ Aの様子を観察し、Aが安心して眠れる方法を工夫するよう、担当スタッフに助言する。
 ⑤ 衝動性や攻撃性が高まる契機となる刺激ができるだけ生じないように、担当スタッフと生活環境の調整を検討する。

解くときの考え方

解き方:思考

<<参考>>
児童養護施設のご紹介
児童養護施設
家庭に替わる子どもたちの家で協調性や思いやりの心を育みながら生活し、また健やかな発達を保障し自立を支援する。

家庭でする子育てを実施しているような大家族の施設のイメージでしょうか。

 ① 遊戯療法を速やかに導入し、Aに心的外傷体験への直面化を促す。
→「心的外傷体験への直面化」のために遊戯療法を『速やかにする』、とは考えにくい。×。

 ② 受容的態度でAの暴力を受け入れるよう、担当スタッフに助言する。
→「暴力を受け入れる」という助言は担当スタッフの大きな負担になると考え、×。

 ③ コップ等の食器は共用であるというルールを指導するよう、担当スタッフに助言する。
→「いつも僕が使っているコップをCが勝手に使ったから」に対する指導としてはあり得るが、心理的な問題からの発展である可能性があるので保留。

 ④ Aの様子を観察し、Aが安心して眠れる方法を工夫するよう、担当スタッフに助言する。
→「夜眠れない」と訴えていることもあり、施設に安心感を持たせるためには必要な関わりとも考えられる。保留。

 ⑤ 衝動性や攻撃性が高まる契機となる刺激ができるだけ生じないように、担当スタッフと生活環境の調整を検討する。
→5歳児ということで、本人に衝動性を抑えさせることは難しいと考えられるので、環境調整の検討は必要だと考えられる。保留。

過去問の解答傾向(児童を安心させることを優先させる)から④、⑤と判断しました。

解答:④、⑤

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