【第3回公認心理師試験】問21 T.Kitwoodのパーソンセンタード・ケア【過去問】

第3回公認心理師試験

【注意】下記は、私の受験時の考え方によるものであり、完全な解答ではないので、参考程度にしてもらえるとありがたいです。

解き方は、『知識(知ってるか知らないか)』『思考(基本的な考え方による判断)』『国語(文章からの判断)』の3種類で分けてみました。

問21 T.Kitwoodの提唱した認知症に関するパーソンセンタード・ケアの考え方について、最も適切なものを1つ選べ。 

 ① 問題行動を示したときは、効率的に管理しなければならない。
 ② ケアで重要なことは、介護者自身の不安や弱さなどは考慮せず、理性的に行うことである。
 ③ 認知症の治療薬が開発されるまで、専門家として認知症の人にできることはほとんどない。
 ④ 認知症は、第一の視点として、中枢神経系の病気としてよりも障害としてみるべきである。
 ⑤ ケアは、安全な環境を提供し、基本的ニーズを満たし、身体的ケアを与えることが中心となる。

解き方:国語(知識)

『T.Kitwood』も『パーソンセンタード・ケア』という言葉も知りませんでした。

言葉から、「人中心支援」な考え方だろうという憶測で解いていました。

 ① 問題行動を示したときは、効率的に管理しなければならない。

→「効率的に管理」は「人中心」という考え方に寄り添えないので×。

 ② ケアで重要なことは、介護者自身の不安や弱さなどは考慮せず、理性的に行うことである。

→「不安や弱さを考慮」してあげるのが、人中心だと考えて×。

 ③ 認知症の治療薬が開発されるまで、専門家として認知症の人にできることはほとんどない。

→これが正解だとすると、公認心理師は認知症のケアに関われないということになってしまうので、×。

 ④ 認知症は、第一の視点として、中枢神経系の病気としてよりも障害としてみるべきである。

→中枢神経系の病気としてではなく、脳の障害としてみるべき、という意図でしょうか。

病気であれば、治療が必要になりますが、

障害であれば、ケア、支援が必要となる、という考え方になるのかもしれません。

 ⑤ ケアは、安全な環境を提供し、基本的ニーズを満たし、身体的ケアを与えることが中心となる。

→身体的ケアを与えることが中心となるのではなく、心理的ケアを与えることも重要である。

これ、最初の解答速報のときは国語で解ける問題だと感じていたのですが、解答に合わせて考えると、

この考え方をするのは難しいと感じました。

他の問題でもいくつかあったのですが、

「回答として悪いところが見当たらないので、〇」

という考え方は、一考する必要がありそうですね。

④に関しては、もっと深い知識があれば惑わされることは無かったのかもしれませんね。

【復習】

手持ちの資料ではT.Kitwoodについても、パーソンセンタードケアについても知ることができませんでした。

WEB上で探すと、良い資料があったのでリンク貼っておきたいたいと思います。

パーソンセンタード・ケアって何?

解いてて思ったのが、「人中心で支援するって当たり前でしょ」と思っていたのですが、

上記の資料では、これまでの認知症への対応の考え方として、

「本人は何もわからないから、安全のためには周りが効率的に管理しなければならないよ」

というものがあったらしいです。

誤答の選択肢は、昔の認知症のケアの考え方のようですね。

それに対して、認知症に対する理解も深まり、T.Kitwoodさんが「いやいや、ちゃんと認知症の人たちの思いも大切にしましょうよ。そして、そうした関わりが認知症の回復にもつながりますよ。」というようなことを言っていたようです。

→ああ、これはまさに「心理的ケアが大事ですよ」という思想ですね。⑤の選択肢に「??」となれる情報です。

解答:④

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