『努力』とは認知によって変えられるスキルである

コーチング

カウンセリングをしていると、

「私(僕)は努力することができないんです。」

ということを話してくださるクライエントは少なくありません。

その人たちは本当に努力しなければならないことに対してとても臆病になってしまっています。

本当は興味を持って、熱心になって励みたいのに、
いろんな不安がよぎって、
「そこまでしてしたいことではない。」
という結論で納得しようとしてしまう。

でも、心の奥から湧き上がってくる「もっと幸せになりたい」という気持ちに直面するたびにまた悩んでしまいます。

なぜ、そこまで努力することに対して臆病になってしまうのか。
いろんなクライエントが話してくださったことと、考察を交えてお話ししたいと思います。

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努力の失敗体験

その人がこれまでどのような経験をしてきたのか。
それも大きなヒントになります。

例えば、自分なりに必死になってやってきたのに、
「できてないじゃないか」
「そんなことやってたって意味がないだろう」
「まだ足りないじゃないか」
などの評価を与えられたり、
周りの人と比べると結果としては低い評価であったり。

ここまでは、多くの人が経験していることだと思います。
しかし、それらの周りからの評価のあと、自分自身でも
「努力が足りなかった」と評価してしまうことがあります。

そして、その結果の感情が大きな負の感情である場合、
今後「努力が必要なこと」がストレスになってしまいます。

失敗体験が連鎖するその後の行動

なかなか行動できない人は、
失敗することを恐れているのか、
努力しても報われず、無駄な努力になってしまうことを恐れているのか。

成功体験が少ない人ほど、大人になって失敗や無駄な努力になることを恐れてしまうことが多くあると思います。
無駄な努力になることを恐れ、無駄な時間を過ごしてしまう。

子どもであれば、
「中学生になったら・・・」
「高校生になったら・・・」
「大学生になったら・・・」
と少し先の未来に希望を持つも、結局何もできないまま大人になるというケースも少なくないようです。

心に傷を負う失敗体験を受けてしまった人の行動原理としては、
無駄な努力にならないように、行動を選択していくことが増えてしまいます。

成功体験を得るためには

ポイントは最初の数回の成功体験です。
環境が良かったり、出会いに恵まれていたりする人は、
人生の早い段階で経験することができ、その後の人生も努力できる考え方を持てることでしょう。
その成功体験を忘れることがなければ。
成功することで、自信となり、また挑戦することができます。

では、成功体験を如何にして得るか。

一番良いのが、幼年期の成功です。

人間、最初からなんでもできるものではありません。

しかし、ある程度成長すれば、大した努力をしなくても、できるようになります。

大した努力をしていなくても、
気付いたら周りの子どもより自分の方が能力が高いと思えた。

多くの子どもがそういうものに対しては自信を持ち、好んで続ける傾向があります。

子育てを上手くできる人は、
大した努力をしなくてもできるようになったことを、
できないことを意識させ、できるようになったことを意識させることで、
成功体験に変えることができます。

そうすることで、自分より能力が高い子が周りにいたとしても、
その子に追いつくことができるという意識を持たせることができます。
そしてもし追いついたり、勝ることができたならば、
それは素晴らしい成功体験になります。

「褒める」は本当に成功体験につながるのか?

「子どもは褒めて育てる!」
とは良く聞く言葉ですが、
おだてて、気分を良くさせるということでは決してありません。

そして、一番のポイントは結果を褒めるのではなく、
過程を褒めることです。

過程を褒めることで、
『努力すれば報われる』と考えられるようになっていきます。
わかってはいても、これは意外と難しいことです。

過程を褒めるためには、毎日子どもをちゃんと観察し、
コミュニケーションをとり、
そして褒めなければなりません。

結果だけを褒めるのはいずれ逆効果になってしまいます。
途中の努力している姿をちゃんと見て、
それを褒めることが大切です。

努力している姿を見らずに褒めていたら、
努力することにフォーカスがあたりません。
悪い場合は、「結果さえ良ければいい」「結果がダメだったら努力しても無意味」という価値観にもなってしまいます。

また、何をもってして、「努力した」と思えるようになるのかがそのときに本人の価値観として認識されてしまいます。

(1)本当に頑張ったこと。
(2)毎日やったこと。
(3)自分ができることを最大限にやったこと。
(4)結果がでたことのためにやったこと。

などなど。

人それぞれ、何を『努力』と言っているのかが変わってきます。
自分の子どもにとって、どんなことを『努力』と考え、大切にして欲しいのか。

それを明確にした上で褒める必要があります。

私が接してきたクライエントに
「どうなったら「努力した!」と思えますか?」
という質問をすることがあります。

「毎日目標に向けた努力を続け、目標を達成したとき」

「自分のやっていることが、自分の思う結果が得られ、周りの人もそれを認めてくれたとき」

「誰も成したことが無いような大きなことを達成したとき」

など、ハードルの高い努力の定義を話してくれることもあります。

これらの思いの中には、

「このくらいできないと追いつけない」

という、他人との比較からくる思いもあるようです。

子どもたちの場合、ゲームの世界では

「自分のやっていることが、自分の思う結果が得られ、周りの人もそれを認めてくれたとき」

が得られやすいと感じる子どももいます。

「自分の納得のいくプレイができ、その動画をSNSでアップロードしたら『いいね』がついた!」
と嬉しそうに話してくれる子どももいます。

逆に、ゲームで少しでも思い通りにいかなかったり、批判されたりするととても感情的になったりもします。

「努力」の認知を変えるために

先ほどの例えの(1)~(4)のどれが正しい努力だ、というのはありません。
ただ、どれを正しい努力だとするのかで、褒めるタイミングやかける言葉は変わってきます。

子どもに対しては、それを見極めた上での褒め方が必要になります。

では大人はどうでしょうか?

大人はまた違った意識が必要になります。
そこを上手に成長させていけるのがコーチングになります。

成功体験のコーチングについても、様々な考え方がありますが、一番効果的だったのは

1、主体的に達成できな目標を短期間で繰り返し達成する
2、他人と比較しない

この2つを守ることです。
これは一人で行うのはとても難しいことですので、できれば仲間や友人、周りの人たちと協力して進められたらと思います。

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