【第3回公認心理師試験】【事例】問65 犯罪少年と対応する施設【過去問】

第3回公認心理師試験

【注意】下記は、私の受験時の考え方によるものであり、完全な解答ではないので、参考程度にしてもらえるとありがたいです。

解き方は、『知識(知ってるか知らないか)』『思考(基本的な考え方による判断)』『国語(文章からの判断)』の3種類で分けてみました。

問題

問65

9歳の男児A、小学3年生。Aは、学校でけんかした級友の自宅に放火し、全焼させた。負傷者はいなかった。Aはこれまでにも夜間徘徊で補導されたことがあった。学校では、座って授業を受けることができず、学業成績も振るわなかった。他児とのトラブルも多く、養護教諭には、不眠や食欲不振、気分の落ち込みを訴えることもあった。Aの家庭は、幼児期に両親が離婚しており、食事は自分で準備して一人で食べることが多かった。時折、Bからしつけと称して身体的暴力を受けていた。

家庭裁判所の決定により、Aが入所する可能性が高い施設として、最も適切なものを1つ選べ。 

 ① 自立援助ホーム
 ② 児童自立支援施設
 ③ 児童心理治療施設
 ④ 児童発達支援センター
 ⑤ 第三種少年院(医療少年院)

解くときの考え方

解き方:知識

選択肢の施設の役割と、重大な刑事事件を理解していないと間違うと思います。

過去問の学習でもある程度対応できた知識だと思います。

第1回 問99、問106
第1回追試 問20、問143

 ① 自立援助ホーム
→小学校3年生なので、対象ではない。×。

 ② 児童自立支援施設
→「放火し、全焼させた」とあり、放火は「重大な刑事事件」なので、触法少年といえる。また家庭裁判所の決定により入所するということなので、選択肢ではこれが適切。〇

 ③ 児童心理治療施設
→「心理(情緒)的・環境的に不適応を示している児童」ではあると読み取れるが、触法少年を入所する施設として適切とは考えられない。×。

 ④ 児童発達支援センター
→発達の問題とはされていないので、×。

 ⑤ 第三種少年院(医療少年院)
→小学校3年生なので不適切、×。

解答:②

この問題、実は私は現任者講習会で非常に印象的だったので、学習して覚えていました。

担当講師の方が実体験から

「刑事事件を起こした少年のご家族への支援時に、これからどのように物事が進められていき、どのような結果が想定されるかをちゃんと説明できることが、親御さんへの不安を軽減させることにつながることもある。」

という話をしてくださり、関心を持った記憶があります。

そのときに、重大な刑事事件「放火」、「強制わいせつ」、「強姦」、「殺人」、「強盗」、「傷害」の6つは覚えていました。おかげで、問題文の「放火し、全焼させた」には反応できました。

家庭裁判所の決定による処分として
・保護処分
・検察官送致
・不処分
・都道府県知事又は児童相談所長送致

があり、触法少年なので、保護処分となると考えられる。

保護処分の内容としては
・少年院送致
・保護観察
・児童自立支援施設等送致

がある。

〇少年院
・第一種少年院
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がないおおむね12歳以上23歳未満のもの

・第二種少年院
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない犯罪傾向が進んだ、おおむね16歳以上23歳未満のもの

・第三種少年院
保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がある、おおむね12歳以上26歳未満のもの

・第四種少年院
少年院において刑の執行を受ける者

〇非行少年

・犯罪少年
犯罪として法定され、刑がさだめられる行為のあった14歳以上、20歳未満の少年

・触法少年
犯罪として法定され、刑がさだめられる行為のあった14歳未満の少年

・虞犯少年
保護者の正当な看護に服さないこと、正当な理由なく家庭に寄り付かないこと、不良者と交際すること等の事由があり、性格又は環境に照らし将来犯罪行為又は触法行為を行うおそれがあると認められる少年

14歳未満の少年は刑事責任を問わないので、検察官送致処分になることはない。

併せて覚えておきたいキーワード
・全件送致主義
非行少年の司法手続きは、基本的にいずれかの段階ですべての少年が家庭裁判所に送られる。

<<参考>>
〇裁判所
少年事件の処分について

〇全国自立援助ホーム協議会
自立援助ホームとは

〇全国児童心理治療施設協議会
児童心理治療施設とは

なんか盛沢山な内容になりました。

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