いろんなところで、いろんな問題が生じている今の世の中。
そんな中で一番課題になっていると私が感じているのは『ストレス』です。
個人的には今の世の中はとても良くなっていると感じています。
なぜなら情報が手に入りやすくなっているからです。
今までは恵まれた人しか得られなかった情報が、インターネットに接続する環境さえあれば誰でも無料で手に入ります。
15年以上前になりますが、『eclipse』という統合開発環境が無料で手に入ると知ったときには、
「プログラミングがこんなに簡単に勉強できるようになったのか!?」
と感動したものです。それまではC言語の勉強するにも、環境設定を調べて、いろんなプログラムをインストールしてコンパイル環境を構築して・・・、と勉強するまでのハードルがとても高かったです。
プログラミングだけでなく、動画編集も『OpenShot』があったり、画像編集についても『FireAlpacha』など、様々な無料ソフトがある上に、
ダウンロードから丁寧に解説している動画も無料で見れたりするので、とても学びやすいです。それまではわざわざ自分で本を買って勉強したり、それすらハズレがあったり、読み方が難しかったりしていました。
今は行動さえできれば誰でもいろんなスキルを身に付けることができる世の中です。(今後はAI技術の発展で、知識やスキルすら必要なくなってくるかもしれません)
とはいえ、なかなかそうはできないという人が多くいます。
つまり「行動できない人」がまだまだ多くいると思います。
◆『行動できない』ということの問題点
『行動できない』ということは、どんどん自分の状況を追い詰めていく可能性があります。
その結果「何とかしないと!」という焦りになり、その焦りが正常な判断をできなくしてしまいます。
中には、
「楽して儲かる」
「誰でもできる」
などの、詐欺商材に手を出す要因になり、より不幸になっていく人もいます。
これは、本来そういう人間ではない人でも、心理的に追い詰められていると知らず知らずのうちにそうなっていってしまいます。(私はそういう人たちを実際に何人か見てきました)
◆『行動できない』ということの原因は『ストレス』
『行動できない』という人を
努力できない人
怠け者
やる気が無い人
と、一般的には思われると思います。
プロのカウンセラーとして、年間500件以上カウンセリングをしている私の経験では、
最初はそう思われていた人も、ストレスによる心理的な負担が軽減すると、行動できるようになっていく人がほとんどでした。
もちろん、体力的な疲労があり、休みたいと思って動けないこともあると思いますが、
多くの人に
「特に何かしたわけではないのに、なんとなく疲れがあって軽快に動けない」
「時間はあるのに、ついダラダラと過ごしてしまう」
「『やる気がでない(やる気になったときにする)』を言い訳に動こうとしない」
「他に気になることがあって、やるべきことに手をつけられない」
「つい、やりやすい行動で誤魔化して、大事なことを後回しにしてしまう」
という経験はあるのではないでしょうか。
これらのほとんどが『日ごろのストレス』が要因で陥っている『心理的な健康』が損なわれている状態によるものです。
その状態の改善方法として『モチベーションを上げる』という行為があります。
しかし、このモチベーションを上げるということは、かなりの技術力を要しますし、
素質も必要です。(つまり人に寄る)
大切なのは「モチベーションが無くても行動できる」という状態を維持することであり、その状態を作るためには『ストレス』を減らすことが必要です。
◆『ストレス』とは『コントロールできない』こと
ストレスの正体は『コントロールできない』ことです。
例えば、
「身体が大きい男性が怒っている」
という状況と
「3歳の女の子が怒っている」
という状況ではどちらがストレスがかかるでしょうか?
また、
「できるかどうかもわからない仕事を任されること」
と
「いつもやっている仕事を任されること」
ではどちらがストレスがかかるでしょうか?
どちらも前者の方がストレスが大きいと思います。
これはどちらも「悪いことにならないようにコントロールできる」と感じることができるからです。
身体の大きな男性が怒りに任せて暴れられるとどうにもできないが、
3歳の女の子が怒って暴れても自分に害がでないようにすることはできる。
いつもやっている仕事なので、どうやったらその仕事を処理できるかはわかるが、
やったこと無い仕事であれば、ちゃんと終わらせることができるかどうかがわからない。
このように、何かあったときに自分なら処理(コントロール)できると感じることにはストレスは少なくできますが、
自分には処理(コントロール)できないと感じることにはストレスが大きくかかります。
◆『ストレス』を減らすのに必要なことは自分に『コントロールできない』ことを把握すること。そして・・・
「人の悩みのほとんどが人間関係である」
と言われています。これは「他人の心や行動をコントロールすることができない」ということと同義だと思います。
他人の行動をコントロールするために「恐怖」という感情を利用する人もたくさんいます。
他人に対して怒るという行為は、相手をコントロールしたいときにする行為であることがほとんどです。
余談ですが恐怖を感じさせる行為ができない人は「超消極的な行為(黙ったり、引きこもったり、弱ったり)」で相手をコントロールしようとすることもあります。
他にも自分の能力の及ばないことは『コントロールできない』ことになります。
まずは、
自分にとってストレスになる日ごろ関わる人は誰か
自分にとってストレスになる日ごろ必要になる行動は何か
を把握する必要があります。
そして、それらを把握した上で、
本当にその人間関係が必要なのかどうか
本当にその行動が必要かどうか
をしっかりと考え、
「必要ないことはコントロールすることを放棄する」ということが必要です。
周囲の物事に対して期待値が低い人ほど、受けるストレスが少なくなります。
それは
「こうあってくれたら良いのに」
「こうならないで欲しい」
ということがなければ
「なんでこうしてくれないんだ!」
「なんでこんなことになってしまったんだ!」
というストレスにもなりません。
子育てにおいても、自分の言うことを聞いてくれない子どもに対して
「なんで言うことを聞いてくれないの!?」
となる人と
「まあ、子どもってそういうものよね」
となる人とでは、子育てに対するストレスのかかり方も大きく異なります。
このように、
必要ないことや、そもそもコントロールすることが難しいことに対しては、期待値を下げるという考え方をする必要があります。
見方を変えると完璧主義な人や、自分の能力が及ばない環境にいる人はいつもストレスを大きく感じてしまっている可能性が高いです。
◆行動できないという人は、まずは『コントロールできない』ということを減らす
なかなか期待値を下げるという価値観になることは簡単ではないと思います。
カウンセリングは『コントロールできない』と感じることを把握し、「一旦、コントロールすることを諦める」という作業にもとても有効です。
カウンセリングにおいては「あなたはあなたのままで(コントロールできなくても)良いのですよ」という全肯定されることがほとんどだと思います。
これはとても大切なことではあります。
◆最終的にはコントロールできることを増やす
ここからはカウンセラーとして、というよりも私の個人的な考えですが、
やはり「コントロールできることを増やす」という方がより安心して過ごせるのではと思っております。
まずは期待値を下げることでストレスを減らし、
コントロールできるようになりたいことを再度考えなおして、できることから行動していく
ということができていけたら良いと思っています。
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