【第3回公認心理師試験】問13 グレリン、レプチン、オレキシン【過去問】

第3回公認心理師試験

【注意】下記は、私の受験時の考え方によるものであり、完全な解答ではないので、参考程度にしてもらえるとありがたいです。

解き方は、『知識(知ってるか知らないか)』『思考(基本的な考え方による判断)』『国語(文章からの判断)』の3種類で分けてみました。

問13 摂食行動を制御する分子について、正しいものを1つ選べ。

 ① グレリンは、食欲を抑制する。
 ② レプチンは、食欲を促進する。
 ③ オレキシンは、食欲を抑制する。
 ④ 肥満症では、血液中のグレリン濃度が上昇する。
 ⑤ 肥満症では、血液中のレプチン濃度が上昇する。

解答速報:⑤

【復習】

ブループリント

大項目:10 脳・神経の働き

中項目:職脳神経系の構造と機能

小項目:睡眠、摂食行動、性行動、サーカディアンリズム、情動行動

グレリン

食欲を刺激し,摂食量を増やすホルモンである。

<<参考>>
グレリンの構造と機能

レプチン

脂肪細胞が産生するタンパク質で摂食を抑制し、エネルギー消費を促進する。

<<参考>>

誠信 心理学辞典

オレキシン

オレキシンは摂食行動の制御系と睡眠・覚醒の制御系の両者と深い関係をもっており、適切な睡眠・覚醒状態をサポートする機能をもっていると考えられる。

オレキシンを脳室内投与した結果見られる摂食量の亢進、交感神経系の興奮、HPA軸の活性化、ドーパミンニューロンの興奮などは、すべて覚醒に応じて引き起こされる現象、あるいは覚醒が引き起こされた結果ととらえることも可能でもあり、オレキシンのもっとも中心的な役割は覚醒の維持にあると考えられている。

<<参考>>

脳科学辞典

上記の情報から考えると、④が正解になりそうなのですが、肥満症とグレリン、レプチンの関係性には続きがあります。

<<参考>>

摂食調節ペプチド“グレリン”の肥満症患者における遺伝子多型の 解析と治療への応用

こちらには、”小児肥満者においては、血中グレリン濃度とBMIは 負の相関を示す。つまり、太っている人ほど血中グレリ ン濃度が低い。”という記述があります。

<<参考>>

Sysmex Primary Care

こちらには、”肥満症では一般に血中レプチン濃度は高値(大半は100ng/ml以下)であるが,受容体異常症の場合,異常高値(300~700ng/ml)をとると報告されている.”と記載されています。

上記の情報より、『肥満症』なのに摂食を抑制する成分が多くある、という難しい状況であることがわかりました。

さすがにこれは国語では解けず、レプチンと肥満症についてしっかりとした知識が無いと解けない問題でした。

私のようなタイプの学習者に「ちゃんと勉強してね」と警告するような問題でした。(個人的には良い問題だな、と感じました。)

ちなみに、こちらも分かりやすい記述がありました。

<<参考>>

”メタボ”と検査がよく分かる専門医のはなし

コメント

タイトルとURLをコピーしました