世の中、様々なウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)のための習慣や活動があると思います。
サプリメント
ダイエット
ランニング
(ソロ)キャンプ
コミュニティ
筋トレ
などなど。
ただでさえ、社会生活において、人間関係におけるストレス対処は必要だったのですが、
コロナ禍による急激な環境の変化からくるストレスの対応も急務となっています。
また、メタボリックシンドロームなども含め、健康に関する情報も多々発信されることもあり、それらに対応するための活動も注目されていると思います。
食事習慣の改善、運動の習慣化。
以前に比べ、興味関心を持ち、取り組んでいる人も増えてきていると思います。
しかし、
「健康を気にして食事を気を付けていると、それがストレスになってしまうんです」
「最初は運動も楽しかったのですが、最近は「しなきゃいけない」と思ってしまうこともあるんです」
「サプリは良いのですが、継続して購入し続けるのが負担になってきているんですよね」
「新しいコミュニティは楽しいのですが、気疲れすることもあるんです」
「仕事の波があって、同じ生活をしていても、疲れてしまうこともあるんです」
などなど、多くの悩み相談を受けることがあります。
これらの悩みすべてを直接解決する!ということは難しいのですが、
たった一つの習慣をつけるだけで、あらゆる問題から解放される、最強の習慣があります。
その習慣とは!?
結論:ストレッチ
すでにストレッチが習慣化しているという方も、是非読んでいただきたいです。
なぜ、ストレッチが良いのかを解説させていただきたいと思っています。
ストレッチがもたらす3つの効果
ストレッチというと、柔軟性を養う、というイメージを持たれるかと思います。
運動前、整理体操などで実施し、けがの予防、防止のための行動。
もしくは、緊張をほぐし、リラックスするための体操など。
しかし、ストレッチは正しいやり方を実践することで、それ以上の効果を得ることができます。
それらも含め、特に大きく良い効果が得られると考えられる、3つの効果と、そのための正しいやり方について解説していきます。
心の平穏を保つ能力の向上
セルフメンタルケアの向上とか言いたかったのですが、カタカナばかりだとイメージが拡散しやすいかと思い、言葉を選んでみたのですが、難しいですね。
わかる人にお伝えすると、『瞑想』『マインドフルネス』で得られる効果と同等のものが得られるという説明になります。
瞑想にも様々な種類の瞑想があるのですが、ここでお伝えしたいのは『ボディスキャン瞑想』の効果です。
ボディスキャン瞑想とは、
床に寝て、身体と床の接触面を意識しながら、身体の内面の隅々まで自分の意識を向けていく瞑想法です。
MRIのように、上から順に自分の意識を内部に向けていくこうなものです。
このとき、自分の内臓や筋肉の緊張など、さまざまな感覚に意識を向けていくことがポイントです。
他のことを考えず、自分の身体にだけ意識を集中することで、悩みなどから解放されていくことが瞑想の特徴です。
さて、ストレッチで考えてみましょう。
正しいストレッチのやり方として、
「ストレッチしている部位を意識し、それがじわじわく伸びていくことを感じながら行う」
というものがあります。
ストレッチの動作がどの部位を伸ばしているのか、
太ももの裏であれば、太ももの裏に意識を集中し、
腕であれば、腕を意識し、
腰であれば、腰を意識する。
ただ、形を意識するのではなく、しっかりとほぐれていく感覚に集中します。
この自分の内面に意識を集中するということは、ボディスキャン瞑想で実践していることと同じことになります。
ヨガが良いとされているのも、同じような理由が当てはまると思います。
すでにストレッチをしている方は、
やり方、形に意識するのではなく、
そのストレッチによって自分の身体の伸びている部分に意識を集中し、感じることを心掛けてください。
やり方などは、インターネットで検索すればわかりやすい動画がたくさんありますので、
自分のストレッチをしたい部位にあった動画を見つけていただけたらと思います。
集中力が向上する
ストレスを抱えやすい人の特徴として、よくそんな悩みを聞きます。
気になること、不安なこと、過去の嫌な出来事などがふと思い出され、今ここに集中できないでいる。
目の前のことに集中することで、
やるべきことが終わらせられ、後回しになることも無く、そのタスクからのストレスが無くなる
余計なことを考えることがなくなるので、不安や後悔からくるストレスも減る
という二つのストレス対処効果が得られます。
ストレッチしている人も、
・テレビを見ながら
・何か他のことを考えながら
など、ストレッチに集中していない人もいるのではないでしょうか。
そういう方はもったいないです!
せっかくストレッチをしているのであれば、是非ストレッチから最大限の効果を得られるように取り組んでみてもらいたいです。
ここで注目する正しいストレッチのやり方とは、『呼吸』です。
ストレッチをするときに意識するのは、息を吐くときにストレッチしたい部位を伸ばすということです。
人は息を吐くときに筋肉が緩みます。
このときにじわじわとゆっくりと伸ばししていくことが、正しいストレッチのやり方です。
また、正しいストレッチのやり方として、『20秒以上は同じ姿勢を続ける』というものがあります。
これは人の身体が、自身の形状を認知するのに20秒はかかると言われているからです。
さて、この呼吸だけを正しくするだけもリラックス効果が得られるのですが、ここで取り入れて欲しいのが『数息観』です。
数息観とは、坐禅における呼吸法の一つで、
呼吸に集中し、呼吸を数えることで、
身体の調子と心の調子を整えるという効果があります。
呼吸も奥が深く、意識してコントロールできるし、無意識でも実行され続ける唯一の人の活動であり、
この呼吸を制することが、自身を制することにつながると言われています。
その呼吸に意識を集中し、呼吸のリズムをコントロールし、安定させる。
それが数息観なのです。
その数息観をストレッチに取り入れていきます。
息を吐くときに身体を伸ばすので、呼吸の仕方としては
息を吸う時間の倍の時間をかけて吐きます。
3秒吸って、6錨吐く
4秒吸って、8秒吐く
5秒吸って、10秒吐く
など、やりやすい感覚で良いので、「倍の時間かけて、ゆっくり吐く」を意識してみてください。
この倍の時間かけて吐く、ということにも貴重な意味が含まれています。
それは「副交感神経を優位にすること」です。
交感神経と副交感神経があり、
交感神経が優位のときには緊張状態になっており、
副交感神経が優位のときにはリラックス状態になっています。
不安なこと、嫌なこと、あるいは仕事をしているとき、レジャー中などは交感神経が優位であり、
食事中、入浴中などは副交感神経が優位な状態にあります。
ストレス社会だと言われたり、スマホが普及し娯楽が常に得られる環境では、交感神経が優位である時間が圧倒的に多くなっております。
好きな動画を見ている、映画を見ている、ゲームをしているなど、好きなことをしていることは一見リフレッシュタイムであるかのように思われますが、
実は、それに集中してしまい、交感神経が優位になっている活動である可能性が非常に高いです。
呼吸で吐く時間を倍にすることにより、意識的に副交感神経を優位にする時間を増やします。
実際にやってみると実感されると思いますが、呼吸を数え続けるということがとても難しいのです。
長い時間やっていると、つい他のことが思考をよぎってしまい、
「あれ、今何回(何秒)だっけ?」
となることが、あります。
しかし、この習慣を続けることによって、数えられるようになってきます。
『今ここ』の呼吸を数え切れるようになったとき、あなたには強力な集中力と、大きなリラックスの時間が得られていることでしょう。
自分の管理能力が身に付く
日ごろ、注意力散漫になり、仕事などに集中できないことなど、あったりしませんか?
そういうときはだいたい、
・疲れている
・気になることがある
・心理的な落ち込みがある
いつも決まった運動をすることによって、
その疲労感が、気のせいなのか、体力的な疲労のせいなのか、心理的な疲労のせいなのか、あるいは病気などの体調不良なのか、
がわかりやすくなります。
(1)いつもならもっと楽に体を倒せているのに、今日は何かしんどさを感じる・・・
→その部位の肉体的な疲労がわかる
(2)いつもなら、もっと呼吸に集中できるのに、すぐに雑念が入ってしまう
→心理的な疲労、またはその要因となるストレスがある
(3)いつもなら、ストレッチ中、あるいはストレッチ後に身体がほぐれていることを感じることができるが、その感覚が無い
→心理的な疲労と考えられる
など、自分の体調チェックにも効果的です。
ここで、ちょっと注目してもらいたいのは
(2)いつもなら、もっと呼吸に集中できるのに、すぐに雑念が入ってしまう
この「雑念が入ってしまう」ということに気づけるようになるのが、『ヴィパッサナー瞑想』で得られるセルフコントロール能力です。
ヴィパッサナー瞑想とは、
自分の思考を観察する瞑想です。
『観察する』のであって思考するのではないということがポイントです。
例えば、
瞑想中に、
「そういえば、来週は仕事で〇〇に行かないといけなかったな・・・」
と思考がよぎったときに、
「持っていくものは何が要ったかな?移動手段はどうしようか。ああ、それと・・・」
とそれについて考えを深めていくのが通常ですが、
ヴィパッサナー瞑想では、それをしてはいけません。
「今、来週の仕事のことを考えたな」
と自分の思考を外から実況するように観察し、その思考を手放すのです。
この『思考を手放す』ということがとても難しいです。
この難しいヴィパッサナー瞑想をもっとやりやすくする手法としても『数息観』はお勧めです。
思考を手放すために、呼吸を数えることに意識を集中させます。
私がカウンセリングにおいてよく聞く悩み事のひとつに、
「いろんな不安があることは間違いないのだけど、どんな不安なのかがわからないんです・・・」
というようなことがあります。
「何について、どう悩めば良いのかわからないんです・・・」
「気が付いたら同じ考えを堂々巡りしているのです・・・」
「答えが出なくてずっと苦しい思いをしているんです・・・」
そのような、思考の苦痛に悩んでいるときに、
「あ、今自分は思考に囚われてしまっている」
とまずは気づくことができるようになります。
そして、その思考を手放すことで、ストレスは大きく減らすことができます。
カウンセリングでは話を聴いて何に悩めば良いのかを整理していくこともしますが、
このように、ストレスに囚われないトレーニングをすることもあります。
正しいストレッチのポイント
1、呼吸の仕方(吸う時間の倍の時間をかけて吐く)
2、ストレッチしている部位に意識を向ける
3、吐く呼吸に合わせて、伸ばしていく
4、20秒以上、同じ姿勢を続ける
身体が柔らかくなると、疲れを逃がしやすい身体になり、
疲労回復はもちろん、腰を痛めにくくなります。
自分の体調管理、心理状態管理もできるので、
大きな怪我や病気を未然に防ぐことができるようになります。
そして、何より自分のストレス状態にも反応できるようになり、
ストレスの軽減、効果的なストレス対処の方略がとれるようになります。
YouTubeの方では様々なストレッチ動画がありますので、
自分に合ったストレッチ動画を見つけて、続けてみてください。
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