先日の記事、親が子どもに絶対にしてはいけないことで、
『キレる』『暴力』はやってはいけません、とお話ししていましたが、
それがわかっていてもやってしまう人が少なくありません。
「やってはいけない」とわかっていてもやってしまう。
そういうときのほとんどが『感情』に支配されてしまい、理性が正常に働かないで行動してしまったりします。
感情に支配されてしまい「やってはいけない」とわかっていてもやってしまうことは、よくあるのではないでしょうか。
飲み会などのときに、「飲んではいけない」・・・・とわかっていても飲んでしまう。
ダイエット中などで、「食べてはいけない」・・・・とわかっていても食べてしまう。
試験前の勉強中で、「勉強しなきゃいけない」・・・・とわかっていても遊んでしまう。
これらの行動は、自分にとってマイナスになることがわかっていても、止められなかったりします。
これがエスカレートしてしまうと、犯罪行為にも発展しかねません。
ただの『怠け癖』であれば、犯罪行為には発展しないと思いますが、心理的な問題をかかえ、感情をコントロールできなくなってしまっている状態であれば、改善していく必要があります。
「怠け癖を解決したい」
「もっと穏やかになりたい」
「感情的になって失敗する後悔を減らしたい」
と思っている方は、是非お読みいただけたらと思います。
とはいえ、感情のコントロールをする前にまずは、知らなければならないことがあります。
そもそも、感情のコントロールができる状態にあるのか?ということです。
感情のコントロールができない状態とは
感情のコントロールができない状態とは、
・生理的欲求がみたされていないとき
・安全が確保できていないとき(身の危険を感じているとき)
・抱えている不快な問題が多いとき
それぞれについて、簡単に解説していきます。
・生理的欲求がみたされていないとき
とは、例えばお腹をくだして、今にも決壊しそうな状態のときや、
空腹を強く感じている状態など、
生理的に正常な状態ではないときです。
特に空腹時に怒りっぽくなる人は身近にもいるかもしれませんね。
次に、
・安全が確保できていないとき(身の危険を感じているとき)
これは学校に行けなくなった子どもなどわかりやすい反応があるのですが、
普段とてもおとなしい子どもでも、行きたくない学校に行かされそうになると狂暴化することはよくあります。
学校に行けなくなる子どもは、学校において心理的に自分の身の危険を感じていることが多々あります。
その危険渦巻く学校に、親に無理やり行かされそうとなると、
家も安全ではなく、親も味方ではなく、学校も危険な場所となり、
自分の身の安全が確保できる場所がありません。
この状態になってしまうと、文字通り「形振り構わない」行動をとってしまいます。
また、大人でも自分の立場が危ういと感じたときに、感情が揺れ動き、コントロールできなくなってしまう人もいます。
ちなみに、この二つはマズローの5段階欲求の一番下の2つの階層です。
様々な問題を解消するためには、まずこの2つの根本的な問題を解消する必要があります。
最後に
・抱えている不快な問題が多いとき
ですが、これが意外と認識できていないことが多いです。
例えば、ある会社員Aさん。
最初は、仕事に関する相談でした。
会社での人間関係がうまくいかず、失敗も増えてきて、上司にそれを指摘されてしまう。
以前はそこで「取り返さなければ!」とさらに仕事に集中していたが、最近では失敗を指摘されたことで落ち込んでしまって逆に仕事が手につかなくなるとのことでした。
しかし、Aさんの話を聴くと、様々な悩みを抱えていました。
・以前は趣味を楽しんでいたが、最近は趣味と言える趣味が無くなってしまっている
・家庭があり、家庭に自分の時間を割くことを心掛けている
・奥さんも育児に疲れている様子で、できるだけ負担をかけないようにと配慮している
・仕事の方も立場上部下がおり、部下のことも気にしなければならない
・責任も増え、まじめな性格でいつも一生懸命である
・仕事が忙しく、友人の誘いを断ってばかりであり、それについて友人がどう思っているのか気になってしまう
・子どもたちがだんだん自分の言うことを聞かなくなってきた。自分が父としてしっかりやれていないのではないかと気になってしまう
・組んでいるローンの支払いがふと気になることがある
・最近よく眠れないことがある
などなど、いろいろなところで心理的な負担がかかっている状態でした。
家庭のことと仕事のことは別だと考えられがちですが、
完璧に切り替えられる人はそうそういないと思います。
家庭での心理的負荷は仕事にも影響がでますし、
仕事での心理的負荷は家にも影響がでます。
しかし、まじめな人ほど、「切り替えられない自分に落ち度がある」と考えてしまいます。
また、他人に助けを求めることがとても苦手だったりします。
周りにそんな自分に気づいてくれる人がいない場合は、
定期的にカウンセリングを受けることをお勧めします。
職場にそういう対応をしてくれる健康相談室などがあると思いますので、是非ご利用ください。
不快な問題を多数抱えている場合は、
それらの自分に与えり影響を考え、優先順位をつけて取り組んでいくことが重要です。
優先順位をつけないことで、常にすべてのことを一生懸命考え、
答えを出す前に次の問題が気になってしまい、解決しないままストレスばかりが積み重なっていってしまいます。
Aさんの場合は、わかりやすい、共感しやすい悩み事が多いかもしれませんが、
人によっては理解してもらえない悩み事が多数あります。
・アイドルが好きであることを隠していることがつらい
・自分の顔の一部が気にいらなく、恥ずかしくさえ思ってしまう
・スマホの調子が悪いときがあるが、買い替えるお金が無い
・友達が2人しかいない
・自分だけの特技がない
・なんとなく自分は結婚できないのではないか、と不安になる
・今後リストラされたらどうしよう?と不安になる(そんな予兆は全然ない)
・オンラインゲームでフレンドと少し口論になったことが気になってしまう
・歩道で、自転車に乗っている人とぶつかりそうになったときに、自転車の人が舌打ちしたことが気になる
などなど、様々な「気になること」が溢れています。
他の人からすると当たり前のことだったり、気にならないことだったりしても
その人にとっては大きな悩みであることがあります。
まずは自分がどういうことに悩み、どういうことなら解決できるのかをしっかりと認識し、
解決する問題に優先順位をつけられるようになりましょう。
多くの悩み事に対処する方法
ストレスを減らし、感情のコントロールができる状態を作るためには、『ストレスリスト』の作成がお勧めです。
ストレスリストは次の手順を実行していきます。
Step1:自分の気になることをすべて書き出す
これはできれば一人では行わない方が良いです。
自分では当たり前のことだと認識してしまっており、それが悩みだったりストレスになっていたりするという認識が持てないことがあります。
Step2:書き出した気になることについて、点数をつける
自分の中でどれか一つに基準値を設け、それと相対評価で他の気になることにも点数をつけていきます。
点数はそのときそのときで変わっていくこともありますので、
気が付いたときなど、見返して再採点してみても良いと思います。
Step3:点数と、解決の難易度を考慮し、優先度を決める
本当であれば、その問題の重要性と緊急性を考慮したいのですが、優先度を決めることが苦手な人は、
どれも重要で緊急だと感じてしまい、先に進めることができません。
そのような場合も、誰かに相談すると良いかと思います。
もし、ストレスリストを作成してみたが、優先度がつけられない。
誰かに相談したいけど、相談できる相手がいない、という方はコメントやお問い合わせなどいただけたらと思います。
アドバイス等できるかもしれません。
書き出してみると、意外と簡単に解決できる悩みも見えてきたりします。
一つ一つは大したことなくても、複数重なると解決しにくく感じることは多々あります。
ストレスリストを作成することで、客観的に落ち着いてご自身の悩みと向き合うだけでも、
心理的負担が軽減することもあります。
是非、お試しください。
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